「スポーツ義足で走りたい」
2014年6月10日(火)放送のNHKまちかど情報室のテーマです。
今日は小山・鹿島両アナウンサーではなく、
堀越アナウンサーが登場。
堀越 「今朝は、どうしてもお伝えしたことがあって
やってきました。」
スポーツ専用の義足を持ってきていました。
つま先に当たる部分が、カーボン製になっていて、
ここに体重がかかると、バネのようにしなって
その反発力で走ります。
パラリンピックでは、
このスポーツ義足をつけたアスリートたちが
すごいスピードで走ったり飛んだりする姿を見せてくれます。
このスポーツ用義足が
アスリートではない一般の人たちに広がってきている
と言うことなのです。
●義足のランニングチーム「ヘルスエンジェルス」
「ヘルスエンジェルス」ホームページ
堀越アナウンサーは、義足ランナーが練習している場所を
訪れました。
義足のランニングチーム「ヘルスエンジェルス」
義足で走るランナー40人と、サポートする健常者が
月に1回練習しています。
メンバーは小学生から中高年まで。
一昨年のパラリンピックの頃から、参加希望者が増え、
その数は、1.5倍になりました。
・「歩いている時よりも、走っている時の方が
高く飛んで、すごく楽しいです。」
・「ほんとに自分の足のように扱えるようになったので。
これが走るってことなんだと、、、」
堀越アナウンサーが特に注目したのが
去年からこのチームで走り始めた高校3年生のKさん。
走るのが得意だったKさん。
骨の病気で左足を失ったのは小学2年生の時でした。
それ以来走るのを諦めていたといいます。
Kさん 「こんな足にならなければなって
小学校の時は思ってた。
みんなと同じことができないというのが、
自分的にすごく辛かったから、、、」
Kさんたち、義足のランナーを支えているのは
「ヘルスエンジェルス」代表、臼井二美男さん。
義足を作る義肢装具士です。
東京オリンピック誘致でも活躍した佐藤さんら、
多くのアスリートの義足を手がけてきました。
臼井さんは、日本70万円以上するスポーツ用義足を
無料で貸しています。
国の事業で開発した義足を譲り受けたり、
トップ選手から中古品をもらったりして
これまでに50本ほど集めました。
さらに、使う人の筋力や足の長さに合わせて
義足を一本一本調整します。
Kさんの義足を調整する臼井さん。
まだ筋力が弱いので、義足の反発力を抑える必要がありました。
臼井 「まだ初心者なので、
踏み切りを簡単にしてあげる。」
臼井さんの義足を試す日がやってきました。
練習中、Kさんは転んでしまいました。
走りやすくするために、膝の関節が曲がるようにしたので、
最初はコツが掴めなかったようです。
めげることなく、練習開始です。
細かいアドバイスを受けながら、ジョギングから始めます。
走ることを諦めていたKさん。
気持ちが変化し始めていました。
「久々に風を切るという思いをして
うれしくてたまんなくて。
できないんじゃないんだ。
今までやらなかっただけだ、と思って
じゃあやろう、頑張ろうって。」
先週(6月7日)行われた、市民向けの障害者スポーツ大会。
雨で棄権する人が相次ぐ中、
Kさんは50メートル走に出場しました。
小学一年生の運動会以来、11年ぶりのレースです。
タイムは15秒5。
全力で走りきりました。
スタッフや観客に拍手で迎えられました。
「完走できたのでよかったです。
結果はだめでしたけれど、楽しく走れたので
今は十分。
走りやすかったです。
最高の、これからの相方ですね。」
鈴木アナウンサー 「走り終わったあとのKさんの表情が
本当にさわやかでしたね。」
堀越アナウンサーは、持ってきた義足を装着しました。
一瞬、堀越アナウンサーも、、、と思いましたが、違いました。
持ってきたものは、
義肢装具士が実際につけ心地を確かめるための
特別な義足でした。
堀越アナウンサーは、何度も転んだそうです。
実際に走ると、
体と義足のあたる部分に、体重の3倍ほどの力がかかるので
慣れる前は、痛みを出る人もいるそうです。
きちんとサポートを受けて、しっかりトレーニングつめば、
気持ちよく走れるようになるそうです。
義足のランニングチーム「ヘルスエンジェルス」
こうしたランニングチームは、まだ多くはありませんが
少しずつ増え始めています。
——————————-
●全国のスポーツ用義足で走るランニングチーム
・大和鉄脚走行会(三重) Tel:0594-72-2511
・ブレンジャーズ(大阪) Tel:072-875-8011
・株式会社 松本義肢製作所(愛知) Tel:0568-47-1701
※今夏から活動開始予定。
——————————-
ここ1、2年の間で、三重や大阪では医師や義足メーカーが
中心になって新しいチームを立ち上げましたし、
この夏には愛知にも新しいチームができる予定だそうです。
これまで走れなかった人が
走れるようになるチャンスが
もっともっと増えて欲しい、、、。
同感です。