2016年2月11日(木)建国の日のNHKまちかど情報室は、祝日セレクション。
「本格手作りチョコ Bean to Barの魅力に迫る」というテーマでした。
2月14日のバレンタインデーにちなんで、まちかど情報室でもチョコレートを特集していました。
今話題の、本格手づくりチョコレート、「bean to bar」の魅力に迫る、ということでした。
(1)世界的なチョコレートの祭典
★問い合わせ先:サロン・デュ・ショコラ
※東京での開催は終了
詳しくはこちらを→サロン・デュ・ショコラ日本公式サイト
19か国から厳選されたおよそ100のブランドが自慢のチョコを出品しています。
特に人気を集めたのが、
カカオ豆から板チョコまで手作りするという
bean to bar
それぞれの店がカカオ豆を厳選し、焙煎温度や時間にも独自の工夫を凝らしています。
香りが引き立つように弾き方も豆によって細かく変えています。
カカオ豆本来の風味が楽しめるとして、人気を集めています。
「産地によって味がちょっとずつ違うので、おいしいなと思います。」
本場フランスで、bean to barの第一人者といわれるボナさん。
取材に行った小山アナウンサーは、試食させてもらって、
「全然違う。深ーい、深ーい味わい!」
今年のバレンタイン、bean to barのチョコレート作りたいという女性が増えてるそうです。
(2)ネクタイ型チョコレート
★問い合わせ先:パレスホテル東京 ペストリーショップ「Sweets & Deli」
Tel:03-3211-5315
※数量限定。完売だそうです。
「Sweets & Deli」のページ
柄は、カカオ豆です。
(3)時計型チョコレート
★問い合わせ先:株式会社 ミッシェルショーダンジャポン
email:masafumi-m@izumiya-tokyoten.co.jp
※数量限定のため、完売の可能性があり
タカシマヤの取り寄せ商品の中にもありました。
(すでに在庫はありませんでした。)
【楽天】・・・在庫切れです。
普通のチョコとBean to Barの違い
<普通のチョコ>
製菓材料メーカーでカカオ豆を輸入、焙煎、加工。
クーベルチュールという製菓用のチョコを作ります。
これをチョコレート職人が購入し、とかして形を作ったり味を作ったりしてでき上がり。
<Bean to Bar>
職人がみずから豆を厳選して購入、自分のところで焙煎してそのままチョコレートにしていきます。
「豆から板チョコへ」ということです。
豆本来の風味を最大限に引き出すことができるというのが特徴です。
(4)Bean to Barのチョコレート専門店
★問い合わせ先:Minimal -Bean to Bar Chocolate-
Tel:03-6322-9998
東京渋谷にあるお店です。
店が厳選した5ヶ国のカカオ豆から作るチョコレートが置かれています。
ガーナ、ハイチ、タンザニアなど産地ごとの風味が楽しめます。
店主いわく
「豆ごとに全部焙煎のレシピを変えている」
焙煎がbean to barの味を決める一番重要なポイントの一つとのこと。
全自動の機械で焙煎していました。
ガーナ産=「シナモンやはちみつのような風味」
120-135℃で深く焙煎します。(38分)
タンザニア産=「青りんごのような爽やか風味」
115-135℃で中煎(35分)
豆のひき方にもこだわっています。
1000分の1ミリ単位で粗さを変えているそうです。
ハイチ産=「アーモンドのようなコクのある風味」
口の中でその味と香りが広がるように、通常の倍以上の荒らさで挽いているそうです。
試食した小山アナウンサー。
「お豆の独特の風味と苦みがずっと口の中に残って、カカオ豆がずっとずっと味わえるようなチョコレートですね。」
店主 「個性とおいしさの交差点を探していて。その違いを楽しんでいただけると嬉しい。」
(5)カカオからチョコをつくる体験ができるBean to Barのショップ
★問い合わせ先:バニラビーンズ みなとみらい店
Tel:0120-76-4080
ワークショップが行われています。
取材の日の豆は、コロンビア産。
スタッフ 「赤いフルーツのような、レーズンとかワインとかの香りがしませんか?」
そのフルーティーな香を引き立てるために、豆の挽き方を工夫しています。
プロペラ式のコーヒーミルを使っていました。
少し挽いては止めるを繰り返しています。
香りが摩擦の熱で失われないようにするための工夫だそうです。
加えるのは最低限の砂糖とカカオバターだけ。
「チョコレートになるにつれて、変化が感じられて深いなと思いましたね。」
世界のカカオ豆の生産量の第1位はコートジボワール。2位はガーナ。
3位は実は、インドネシアでした。
インドネシアは生産量が多いのに、これまで存在感がありませんでした。
京都にはインドネシアのカカオ豆を使ったbean to bar の専門店があります。
(6)インドネシアのカカオを使ったBean to Barのチョコを作っている専門店
★問い合わせ先:Dari K 株式会社
公式ホームページ→「カカオの本当の魅力と人々の想いをDari Kから」
※オンラインの取り寄せはバレンタイン期間中は休止。
2月15日頃以降再開とのことでした。
店主吉野さんは、2015年に上にあるサロン・デュ・ショコラに出品。
ブロンズ賞を獲得しました。
チョコレート職人になってわずか4年でその味が世界に認められました。
試食した中村さん。
「濃厚!ほんのり苦味があるくらいで、フルーティーな味わいの方が強いですね。」
吉野「フルーティーでいい香りのする豆なので、そこに可能性を感じてインドネシアから仕入れました。
このインドネシアのカカオを日本にデビューさせて、革命を起こしてやろうかなと。」
吉野さんはチョコレート職人になる前は、ニューヨークの投資銀行に勤務していました。
金融アナリストとして日々の成果を厳しく問われ、いつまで続けられるのか不安を感じていたといいます。
そんな吉野さんがインドネシアのカカオに注目したのは5年前。
ある時カフェで偶然目にしたカカオ豆の産地の地図。
アフリカや中南米だけでなく、アジアでも生産されていることを知ったのが人生の転機となりました。
いろいろ調べて、インドネシアもカカオの大生産国だということを知り、その時に何かを感じたそうです。
インドネシアとガーナはほぼ同じ生産量。
しかし日本の輸入量は83%と0.3パーセント。
なぜインドネシアからの輸入が少ないのか、気になった吉野さんはインドネシアに行ってみました。
そこで、理由を知りました。
カカオ豆が発酵していることがおいしいチョコを作る条件にも関わらず、インドネシアでは、誰も発酵をしていなかったそうです。
チョコレートは発酵食品で、カカオ豆をバナナの葉などで包み発酵させると味と香りに深みが出ます。
インドネシアでは、政府による農業指導が遅れていたため、発酵させる習慣がなかったそうです。
そのため豆のできが良くても、欧米のメーカーに3割近く安く買い取られ、日本ではほとんど輸入されていませんでした。
吉野さんは、この現状を変えたいと思ってインドネシアのカカオに関わることにしました。
独自で発行方法を学び、農家の人に教えるため会社を辞めて移住しました。
試行錯誤の末、発酵させたカカオ豆600キロが完成。
自慢の豆は、日本でも受け入れられると確信していました。
しかし、日本のメーカーからすべて断られました。
前例がないからということです。
自分でチョコを作る以外には選択肢がなかった、ということで吉野さん自身が職人になることに。
吉野さんの職人としての挑戦が始まりました。
最も難しかったのは焙煎でした。
インドネシア産のカカオ豆の特徴はフルーティーな酸味。
温度と時間を変えながら焙煎と試食を繰り返しました。
今度は100度~160度まで10度置きに変え、
時間も5分ごとに変えていきました。
そして2ヶ月後。
140度で40分焙煎すれば、フルーティーな酸味とコクを引き出せることを見つけました。
吉野 「毎日泣いてましたけど、今思えばよくかんばったと思います。」
2011年3月に店をオープン。
口コミで評判が徐々に広まり、今では全国から客が訪れるようになりました。
吉野さんは自宅でbean to barのチョコレートがつくれるキットを開発しました。
中にはインドネシアのカカオ豆と専用の型が入っています。
高校生と小学生の姉妹が挑戦しました。
フライパンを使って弱火で10分ほどカカオ豆を焙煎。
次にすり鉢で細かくつぶしていきます。
鍋で温めながらかき混ぜると、カカオの油が溶けて滑らかになってきました。
「うまいぞ、これ。」
専用の型に流し込み、冷蔵庫で冷やせば完成。
カカオの形をかたどったチョコレート。
「楽しかったです。」
吉野さんはインドネシアの地元の人たちと協力して増産に取り組んでいます。
生産している人たちは、栽培した豆が高く評価されるようになり収入が増え、仕事にも誇りを持てるようになったそうです。
吉野 「もっともっといいカカオを作って、もっともっとおいしいチョコを作って、本当に世界を変えていける取り組みが出来たらなと思います。
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まちかど情報室というよりも、ドキュメンタリー番組のような内容でした。
”本物志向”とか”フェアトレード”とかというテーマも含まれていました。
コーヒーの産地とカカオの産地は重なっているということも改めて確認できました。
先日、どこかで「小笠原諸島産のカカオ豆」があるということも知りました。
カカオは健康面でも注目されています。
バレンタインデーだけでなく、これからも気にしていきたいなと思いました。